独立行政法人 国立病院機構 村山医療センター

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能登半島地震へ医療班派遣について


能登半島地震へ医療班派遣について令和6年1月1日16:10震度7(M7.6)の地震により能登半島においては建物の崩壊、津波、地盤の隆起などにより広範囲にわたり甚大な被害が生じ、多くの被災者が避難所での生活を余儀なくされています。
村山医療センターにおいては国立病院機構の協力要請にいち早く対応し、医療支援のため1月19日より被災地へ医療班チームを派遣いたしました。
派遣された輪島市へ近づくにつれ倒壊する建物、崩れ落ちる道路、がけ崩れなどが多くみられ慎重な運転が求められる状況となっていました。また、医療チームのみならず、復興に向かう多くの車両等により渋滞も発生し輪島市への到着まで金沢から4時間以上を要する状態となっていました。

能登半島地震へ医療班派遣について輪島市内は建物が崩壊し道を寸断し道路はいたるところで陥没・アスファルトがめくれ上がり危険な状況であり、多くある橋はほぼすべてに段差が発生している状況となっていました。到着早々、輪島市役所内の輪島市保健医療福祉調整本部より鵠巣(こうのす)小学校(避難者約40名)・横地ふれあいセンター避難所(避難者約20名)でのスクリーニング調査および診療巡回の指示を受け、避難所環境の調査を行い患者の診療にあたりました。医師・看護師・薬剤師の対応により診察、処方を行い被災者の方に感謝されたことはチームにとって今後の活動への力となりました。

能登半島地震へ医療班派遣についてその夜は輪島市立病院における、夜間救急外来を受け持ち患者の診療にあたりました。輪島市立病院においては職員の多くが被災しているにもかかわらず日々の診療や夜間救急を受け入れ懸命な対応を行っていました。職員の方が、少しでも休息できるような時間を確保するため協力をさせていただけたことは大変名誉な業務であったと思います。
 翌日は午後より輪島市立中学校での避難所活動を実施いたしました。避難者400名規模の避難所であることから、すでに医療チームや自衛隊、行政機関などが常駐していることから状況を確認し、お互いの情報を共有させていただくことで今後のより良い避難所環境を確保するため活動を行いました。

能登半島地震へ医療班派遣についてさらに翌日については5か所の避難所(藤池集会所・ふれあいプラザ二勢・大屋公民館・輪島ミドリ保育園・一互一笑)を巡回し、診療・処方やスクリーニング調査を行いました。市街の避難所までの道路は凹凸が激しく、片側が崩れた道など慎重丁寧な運転を行い訪問しましたが、そのような避難所においても多くの被災者の方が温かく迎えてくださったが印象に残っています。
 つづきまして医療班の生活について記載させていただきます。夜間については先述したとおりの道路状況であるため活動を行うことは大変危険であり行動することはできません。

能登半島地震へ医療班派遣について輪島市立病院の配慮により空き病棟を1室お借りし宿泊施設といたしました。輪島市立病院は電気は使えるものの給排水が使用できないため水道・トイレは使用することができない状況でした。排水することができないため持参した水で手を洗うこともできません。トイレは駐車場に置かれた仮設トイレを使用する状況となっています。空き病棟のホールで持参した非常食で食事をとり、ごみは全て持ち帰ることを徹底し病院に迷惑をかけないよう努めた生活としました。ベッドは4つあるもののリネン類は無いため寝袋を使用しましたが、1名は車中泊といたしました。被災者の方に比べれば快適な状況であることは言うまでもありません。

能登半島地震へ医療班派遣について我々のチームが被災者の方々の復興のために少しでも役に立てたかはわかりません。それでも多くの被災者の方に温かく迎えられ「ありがとう」という言葉をいただけたことは、それだけで今回の派遣が成功であったのではないかと感じています。復興には相当の時間がかかることは言うまでもありませんが、村山医療センターは今後も復興に向けた協力を継続して行っていく予定としております。
最後に今回の地震により被害を受けられた方への哀悼の意を表するとともに、被災された方、そのご家族及び関係の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
能登半島の復興を心よりお祈り申し上げます。

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