独立行政法人 国立病院機構 村山医療センター

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第1回村山医療センター脊髄損傷を語る会


開催趣旨:
社会復帰されている脊髄損傷者としての立場から、脊髄損傷にたずさわる方々に向けて、ご自身の経験や思いを発信していただくことで、脊髄損傷に対する理解や学びを深めること。

日時:2024年5月11日 土曜日13:00-15:00
場所:村山医療センター地域医療研修室 & ZOOMでのHybrid開催予定
主催:村山医療センター 許斐恒彦
共催:日本せきずい基金、コロプラスト株式会社、アビリティーズ・ケアネット株式会社
参加者:脊髄損傷者およびその家族。脊髄損傷医療に携わる医療従事者。脊髄損傷医療に興味のある方。

ピアサポートの重要性について

過去に行われてきた、障害のあるなしによって分断された、教育や公共政策の在り方は、国際的な大きな課題とみなされていました。1980年代以降、日本でも医療機関や地域を拠点とした患者会やセルフヘルプグループに始まる形で、学校や医療現場など多領域で活動が全国的に展開されてきました。

ピアサポートとは、仲間(ピア)同士の支え合いであり、ピアサポートの有効性は、同じような経験を持つ人同士が、経験を語り合い、分かち合うことで、生きる力を高めることができる点にあります。「リカバリー」概念への関心の高まりとともに、国の「入院医療中心から地域生活中心へ」という政策転換が行われ、病院への長期入院者を支援するピアサポーターの活躍が広がっていきました。

2023年3月号のせきずい基金ニュースのドリームキャッチャーという記事に、沖縄県で脊髄損傷者協会の理事長をされていた仲根建作さんの話がありました。連載当時65歳とのことでした                               が、24歳の時に頚髄損傷を受傷され、受傷から1年半後に当時の村山病院に転院されてきたそうです。そこで、多くのピアサポートに出会い、そこでの経験を機に退院後、沖縄に帰り、沖縄でのピアサポート活動と障害者施策制度化のソーシャルアクションを長きにわたり務めてきたとのことでした。

恥ずかしながら、現在村山医療センターが関わる脊髄損傷に関するピアサポート活動は、コロナの影響もありほぼ皆無となっていました。障害者ピアサポート研修事業は令和2年度から都道府県、政令指定都市が実施できる形で位置づけられていましたが、令和3年度以降、ピアサポーターの配置が報酬化されたことによって研修を実施する、あるいは、実施を検討する自治体が増加してきています。地域包括ケア、共生社会をめざす時代を迎え、医療保健福祉現場で活躍するピアサポーターは、今後そのニーズはますます増えていくことが予測されます。

我々としては、脊髄損傷治療を実践する医療機関としての立場から、当院を退院した脊髄損傷者とともに、社会にでていく障害者ピアサポーターをさまざまな点から応援していければと考えています。その結果、社会全体でも障害当事者を中心に置いた支援の充実により福祉サービス全体の質の向上に寄与していってもらえることを期待します。今後も、このような会を継続していければと考えます。


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