独立行政法人 国立病院機構 村山医療センター

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呼吸器内科

 呼吸器は、一生にわたって絶え間なく酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するという生命維持に必須かつ最重要な働きをしています。脳により自律的に形成された呼吸信号は呼吸筋を駆動して上気道が開くとともに胸郭が拡がります。その結果、肺が拡がり、肺内へ空気が入ってきます。枝分かれした気管支の先にある肺胞へ達した空気はごく薄い膜を通して、心臓から送られてきた血液との間で酸素と二酸化炭素とを交換します。一呼吸ごとの吸息と呼息のリズムとパターンは、健康人では、睡眠中も運動中も最適な状態に調節されています。ただし、睡眠時には呼吸調節機能が不安定になりやすく、一晩に何度も呼吸が停止し、その結果、睡眠障害、高血圧、糖尿病などを伴う睡眠時無呼吸症候群を催患している方も少なくありません。特に、いびきをかく、肥満・高血圧がある、集中力が低下してきたなどの症状があれば、一泊入院での睡眠呼吸モニター検査を受けていただき、睡眠時無呼吸症候群と診断されれば、生活指導、当院歯科と連携してのマウスピースによる治療、経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous Positive Airway Pressure;CPAP療法)を実施しています。

一方、気持ちが高ぶると換気量が増えるように、呼吸は精神状態によっても影響を受け、逆に呼吸を整えることによって気持ちを落ち着かせることができます。比較的若い方に多いですが、過換気症候群が疑われる場合には、症状についての詳しい問診を行い、必要な生活指導、薬物療法を行っています。その他の原因による息切れ、呼吸困難感についても、専門的な診療を行っています。

肺は、絶え間なく外気を吸い込むため、細菌、ウィルスなどの病原微生物を吸い込み、上気道炎、肺炎などの感染症に擢患しやすい臓器です。免疫力の落ちた状態では、特に注意が必要です。呼吸器感染症予防のための生活指導、肺炎やインフルエンザの予防のためのワクチン接種、および様々な呼吸器感染症の治療を行っています。

気管支端息については、発作のコントロールから、安定した状態の維持まで、一貫した診療を行っています。比較的安定した状態でも吸入ステロイド剤を積極的に用いることにより発作が全く出ないようにし、また、ハウスダストなど外因性の要因が関係している場合は、生活環境の改善などの指導まで行っています。


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