村山モデルの報告、新型コロナウィルスに対するワクチン投与について(2/22更新版)
2月22日更新
ワクチン投与を終えて職員は
当院の接種者の副反応については国の研究チームが集計して報告されるため、個別に情報を公開することは遠慮させてください(データにバイアスがかかる可能性があるからです)。
しかし接種から2日後の本日、仕事を休んだ職員はなく、みな元気に活動しております。
村山モデルの報告、安全で効率よく行うために
2月20日土曜日に新型コロナワクチン接種が村山医療センターで始まりました。今回は先行接種であり、調査に参加してもいいという同意を得られた職員の中から60名に接種が行われました。接種の状況がマスコミによって報道されそのユニークな施行方法について複数の方から問い合わせがあったので報告させていただきます。
さて、武蔵村山市の人口は7万人を超えます。武蔵村山病院、村山医療センター、医師会の三つで行うことになると、少なくとも2万人が当院にてワクチンの接種が必要になります。
6か月でこのすべての市民に接種するとなると、
20000(人)÷6(か月)=3333(人)
村山医療センターでは土曜日と日曜日に接種を行う予定ですので月に8日行うとして
3333(人)÷8(日)=416.666・・・(人)
土曜日、日曜日の一日に400人以上に注射することが要求されるのです。
村山モデルをシミュレーション
今回は30名を1グループとして2グループに接種が行われました。これは今後予定される優先接種や市内の方々など多くの方に安全で効率よく行うためのシミユレーションでした。
来院された接種者から順番にスクリーンに向かって後方から椅子に座って準備してもらいます。間隔をあけて密にならないよう座ってもらいます。
ワクチン接種の説明ビデオを見てもらった後に医師と看護師が①から②、③へと順番に問診票を確認し注射していきます。注射された方はそのまま椅子に座って待機していただき、15分後(アレルギー体質の方などは30分になるかもしれません)退室となります。30名に接種を行ったスタッフは注射後観察役のスタッフを残して隣の会場で待つ30名の接種希望者のもとにまいります。実際には上記の会場が院内に4か所設定され、時間差をおいて各会場で接種がおこなわれますので1時間に60名程度が注射を受けることが可能になります。
この村山モデルの利点は
- 1.接種された人が移動しないですむ
- 2.時間の短縮になる
- 3.スタッフが少なくてすむ
問題点は接種する人がかがんで注射するため腰が痛くなることです。
後ろの人から摂取することが重要です(接種前の緊張している方が他の人が受ける目の前の注射のシーンを見なくてもいいことになります)。
より多くの方に安全に、なおかつ効率よく接種を受けていただくために施行錯誤しております。もちろんこの村山モデルは完璧とは考えていません。今後も検討、改変されていくことと思います。大事なのはいかに多くの方がワクチン摂取により免疫をつけていけるかです。
2月20日更新
・2月20日 職員60名にワクチン投与が行われました。
・次回のワクチン投与は2月23日を予定しております。
2月18日更新
・2月18日 職員にワクチン投与についての説明会が行われました。
・2月20日 職員にワクチン投与が予定されています。
新型コロナウィルスに対するワクチン投与について
全国民にいきわたるであろう投与量を確保すべく国は努力しています
未曾有の猛威を奮う新型コロナウィルスに対してワクチンによる治療が検討されています。
ワクチンを投与することによってたとえコロナウィルスに罹患しても発症すること、あるいは重症化することの可能性を減らせるのではないか、というものです。欧米を始め全世界ではすでに3000万人に投与が行われました。
本邦でも全国民にいきわたるであろう投与量を確保すべく国は努力しています。投与の予定は以下の通りです。
第1グループ 医療従事者
第2グループ 高齢者
第3グループ 基礎疾患をもつ方
第4グループ それ以外の16歳以上の方
すべての国民に注射をするのは歴史上初めて
すべての国民に注射をするのは歴史上初めてのことであり、ワクチンの輸送、希望者の申し込み、予約、注射実施場所や人材・資材の確保など多くの課題が存在します。各市町村ごとに検討され、もれることのないよう計画されていますがなかなか困難です。
武蔵村山市では市役所と医師会、武蔵村山病院と当院で会議が行われ、いかにスムーズに施行されるかが検討されています。武蔵村山病院と当院、いくつかの診療所やクリニックでコロナワクチンの投与が行われる予定になっています。
最も問題なのが予約システムです。多くの人が一度に同じ時間に病院に来院されると密になるばかりでなく、ワクチンの供給量がおいつかなくなります。ファイザーのワクチンは6回投与分ごとに冷凍保存されています。解凍してから6時間以内に注射することになります。予定された時間に予定された人数が来院されるシステムが必要となるのです。
できれば1日300人以上に
現在、武蔵村山市役所がなんとかこのシステムを構築しようと努力してくれています。予定では市役所に予約システムを集中し、一元管理をしていただくことになっています。
当院には体育館もあるため広いスペースを利用して密をさけ、できるだけ多くの市民に注射を行いたいと考えています。できれば1日に300人以上に投与したいと考えています。
そして上記の投与予定に先駆けて1万人にワクチンの投与の計画があります。すでに多くの国にて投与が行われているのですが、残念ながら日本人に投与されたときにどのくらいの副反応がおきるかは誰にもわからないのです。
副反応の調査に270人が参加
厚労省のHP 新型コロナワクチンのファイザー社の第3層試験の結果
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000710377.pdf
上記には米国にて行われた治験の結果があります。
副反応というのは注射した部位の痛みや発赤、腫脹などといったインフルエンザの予防注射でも見られる一般的なものからアナフィラキシーショックといった重篤な反応まで含まれます。まず1万人に投与してこのような副反応が日本人でどのくらい起きるのかを調査し、その結果をもとにワクチンの注射を希望するか判断してもらおうというわけです。国から国立病院機構本部に連絡があり、当院にも問い合わせがありました。この注射の副反応の調査に参加してくれる職員はいるのかということです。院内にてアンケートを実施し、270人が調査に参加してくれることになりました。
ワクチン投与は新しい希望
“よく被験者になろうとしましたね”、“こわくはないですか”などと外部の方にいわれることがあります。
今回のワクチンは新しい技術を用いて開発されたものであり、まだその副反応についてはわかっていないこともあるようです。注射をうけることに抵抗がないかといったらもちろんあります。しかし現状、新型コロナウィルスと戦うには他に何もないのです。ワクチン投与は新しい希望なのです。
医療者、科学者としての責務
人類はこれまでも多くの伝染病と戦い、そして勝利してきました。それは人々の英知と努力の結晶であり様々な試行錯誤のうえの結果です。勇気ある人々によるコロナワクチンの副反応の調査を正確に報告することは医療者、科学者として誇れることです。
少なくとも一般人よりワクチンについて知識があり、その危険性を理解している医療従事者が先行投与をうけるのは理にかなっています。曇りなき眼でその副反応をみつめ報告いたします。
お願い
今後ワクチンの注射を希望される方々にお願いがあります。当院では投与の予定、進行状況を順次ホームページにて公開していきます。しかし予約のシステムについてはいまだ未定です。くれぐれも病院に電話で問い合わせることはご遠慮ください。また、個人的な都合で早期な接種を希望される方も多いかと思いますが、決められた順番で順次施行されますので報告をお待ちください。