村山医療センター
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トピック

「村山マインド」を胸に、脊髄損傷治療の新たな道を拓く
ウォール・ストリート・ジャーナル Exploring New Frontiers in Medicine(日本語版)



日本を代表する脊髄損傷治療専門病院、高い専門性と実績

当院は日本を代表する脊髄損傷治療専門病院として、高い専門性と実績を誇ります。特に低侵襲手術に力を入れており、患者のQOL向上に貢献してきました。整形外科手術で世界的にも早くから導入したスマートグラスなど、最先端のテクノロジーの応用や治験にも積極的に取り組んでいるところです。脊髄損傷治療は経営的には厳しい分野ですが、希望をかけて全国から集まる患者のために、強い自負を持って日々治療に臨んでいきたいですね。

当院は、骨・運動器疾患分野における高い専門性と豊富な実績を誇っています。脊椎脊髄の手術件数は増加の一途をたどり、2019年度において年間1,130件に達しています。豊富な症例経験を積めることから、脊椎外科を志す医師が全国からここ村山医療センターに集まって来ます。日本だけでなく、アジアをはじめとした海外からの研修医も広く受け入れてきました。脊椎外科だけで現在13人もの医師が在籍しており、全国でも随一の態勢といえるでしょう。

低侵襲手術、患者さんのQuality of Lifeを守る

当院が注力していることのひとつに、低侵襲手術があります。例えば、一般的な頚椎の手術では、首の後ろを大きく切り開いて筋肉を剥がし、背骨を露出させた上で処置を行います。対する当院の低侵襲手術では、ピンポイントで最低限の切開をし、顕微鏡を使って進めていきます。ミリ単位以下の勝負であり、マスターするのに2年はかかるほどに技術が必要な手術ですが、患者さんの負担は一般的な手術に比べるとはるかに軽くなります。侵襲が大きい従来の術式では、首がひどく痛む「軸性疼痛」が残る例が多くありました。手術で麻痺は治ったのだから、軸性疼痛が残るのはある意味やむなしとされ、「我慢してもらうしかない」とも言われていたのです。しかし、低侵襲手術を始めてからは、患者さんから苦痛の訴えを聞くことは大きく減りました。術後の首の動きに制限がなく、普通の仕事だったらすぐに復帰できます。患者さんのQOLを守り、向上させることができるのです。

当院では、脊髄損傷に関わる最先端の治験も行われています。それこそヒポクラテスの時代から、一度損傷した脊髄は治らないというのが医学界の常識でした。もちろん長い歴史の中で多くの挑戦があり、いろんな薬が開発されましたが、すべて失敗してきたのです。しかし今、実用化への最終段階に入っている治験があります。ひとつは組織を修復する働きが強いHGF(肝細胞増殖因子)という物質を投与する方法、もうひとつはiPS細胞を用いる方法です。日本の脊髄損傷治療の先頭に立ってきた当院として、何としても成功させたいという思いで2つの治験に臨んでいます。

「村山でやらなくてどうする」使命感こそ「村山マインド」

また、当院では最先端のテクノロジーも積極的に取り入れています。整形外科手術へのスマートグラス導入は、日本のみならず世界でもかなり早くからの取り組みでしょう。現在、手術台横に設置したモニターを見ながら行うナビゲーション手術が広く行われていますが、術野とモニターを交互に見るために頭を動かすことで、手元がぶれてしまうという問題がありました。しかし、スマートグラス上にナビゲーション画面を映せば、頭を動かすことなく手術を進められ、処置の精度を高めることができます。さらに手術だけでなく、今後はリハビリテーションにもスマートグラスを応用していきたいと考えています。

実は、脊髄損傷治療は病院経営という面においては非常に厳しい分野です。一般企業であれば、採算に見合わない分野として真っ先に切られてしまうでしょう。しかし当院には、「村山ならなんとかしてくれる」という希望をかけて、全国から患者さんが訪れます。日本における脊髄損傷の新規患者数は年間5,000人以上、そして10万人を超える人たちが、脊髄損傷による麻痺に悩んでいます。そうした患者さんたちを少しでも楽にさせてあげたい。たとえ経営的に苦しくとも、「村山でやらなくてどうする」そうした強烈な使命感、まさに「村山マインド」が私たちを日々の治療に向かわせています。

毎年の新人研修の際、私が必ず伝える一遍の詩があります。それが、福沢諭吉の「贈医」という七言絶句です。その大意は「医療とは、自然と人間との限りない闘いである。医師よ、自分たちは自然の臣(家来)などと言ってくれるな。すばらしい眼力と行き届いた手をもって、あらゆる手段を尽くせ」。諦めそうになっても、自然に抗い、最後まで頑張り抜く。その積み重ねが、医療の新たな道を拓いていくと信じています。

 

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