独立行政法人 国立病院機構 村山医療センター

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整形外科

変形性股関節症


股関節とは?

股関節は体幹(胴体)の骨盤と下肢(脚)をつなぐ関節で、体重を支えるため大きな負荷のかかる関節です。骨盤には寛骨臼というくぼみがあって、ほぼ球形をした大腿骨の骨頭がその中にはまった形をしています。股関節は、しっかりとはまった安定性のよい関節で、年齢を経ただけで多くの方に問題が生じるということはなく、怪我や病気がなければ90歳を超えても痛みなく正常に機能している場合が多いのが特徴です。

どんな病気ですか?

股関節(脚のつけ根の関節)の軟骨が減って、痛みや動きの悪さを生じる疾患です。股関節の場合は、高齢になっただけで多くの方に変形性股関節症が生じるわけではなく、関節症になる方の大部分は何か原因があるのが普通です。日本人の場合、原因として最も多いのは、もともと関節の発達の仕方に問題(先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全)があった場合で、その他に、骨折・脱臼などの怪我、大腿骨頭壊死症などがあります。

どんな症状がでますか?

症状としては痛みが最も多く、歩きはじめの痛みや長く歩いた時の痛みから始まって、進行すると歩行時に常に痛みが出るようになり、安静にしても痛みが治まらないという方もあります。関節の動きが悪くなると、足の爪切りがしにくくなったり、しゃがめなくなります。

どうやって診断するのですか?

診断はほとんどの場合、普通のX線写真で可能ですが、原因をはっきりさせたり、治療の計画をするために、CTやMRIが必要になる場合もあります。

どのように治療するのですか?

股治療は、体重の調整、杖の使用、筋力増強訓練などとお薬など手術以外の治療と、手術があります。年齢、お仕事や家庭の状況、関節症の進行度などを考慮して、治療法を選ぶことになりますが、患者さん自身のお考えも十分お聞きして決めるようにしています。

手術としてどのような方法がありますか?

手術方法にも、ご自分の骨を残して行う関節温存手術と、人工関節に取り換える人工関節置換術とがあります。比較的年齢が若く、病気の進行度がそれほどでない場合は関節温存手術が行われますが、人工関節の進歩に伴い、人工関節置換術を行う場合が多くなってきました。

現在当院では人工股関節置換術が年間約60人の方に行われています。ほとんどの方に最小侵襲手術(MIS)で行い、術後2−3日で歩行練習を開始し、入院期間は3週間が標準です。


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